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2010年7月22日木曜日

前置詞のtoとwith(2)

翻って考えてみると、toはfromと対になりやすい前置詞です。そこで、先ずはこれら二つの比較からtoの意味を引き出すことを試みてみようと思います。形容詞との共起関係を参照することで、toの意味がより豊かに浮かび上がるはずです。
 toやfromと一緒に用いられやすい形容詞としては、第一に遠近を表すclose (to)、far (from)が思いつきます。興味深いことに、「~から近い」や「~へは遠い」の意味を表現するにしても、close fromやfar toはclose to、far fromに比べて用いられにくいようです。その証拠に、それぞれの表現を検索してみると、 “is close from”は「約 141,000 件」、“is far to”は「約 6,590,000 件」なのに対して、“is close to”は「約 101,000,000 件」、“is far from”は「約 108,000,000 件」に上ります。
 “is close from”の「約 141,000 件」と“is far to”の「約 6,590,000 件」は、依然として数字は大きいように見えますが、一つ一つを見ていくと、日本人が書いたらしいページが際立って多い印象を覚えます。どうか、ご自身で検索を掛けてご確認してみて下さい。それに比べると、“is close to”の「約 101,000,000 件」と“is far from”の「約 108,000,000 件」は、いずれも桁違いに多いだけでなく、日本人が書いたらしいページも“is close from”や“is far to”ほどには目立たないようです。
 このように、“close from”や“ far to”は程度の差こそあれ不自然で、“close to”や“far from”の方が自然であるというのが事実であるとすれば、toは「近い」こと、fromは「遠い」ことと密接な意味を持っているということが分かります。つまり、X to Yは「XがYに近い」ことを、X from Yは「XがYから遠い」ことを意味すると理解することが出来ます。これに従えば、compare X to Yは「XをYに近い関係に移動させる」ことを意味すると捉えられます。

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