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2010年7月22日木曜日

前置詞のtoとwith(4)

前回、X to Yは「XがYに近い、XがYに似ている」という意味を持ち、X from Yは「XがYから遠い、XがYと違う」という意味を持つらしいことを指摘しました。これは、同様に「近い」を意味するnearやapproximateも、「似ている」を意味するlikeやanalogousあるいはcomparableも、同様にtoと共起することから裏付けられます。因みに、toと対をなすfromの場合も、やはり「遠い」ことや「違う」ことを含意するseparateやdistinctと共起しやすいという点で同様です。
 さて、それではwithの意味はどうでしょうか。toの場合と同様に形容詞との共起関係を頼りに考えてみたいと思います。先ず、「近い」や「遠い」のように具体的な意味としては、固い語ですがparallelやconcomitantやcoincidentのように「同じ場にある」ことを意味する形容詞と共起しますし、「似ている」や「違う」に類する抽象的な意味では、equalやidenticalのように「同じ」という意味の形容詞と共起します。従って、withは寧ろ「同じ場にある」こと、「同じ」ことという意味と密接に結び付いていると考えることが出来ます。
 興味深いことに、これらwithと共起する形容詞の中には、parallel、concomitant、equal、identicalのようにtoとも共起するものがあり、それらがwithではなくtoと共起した場合には、「同じ場にある」や「同じ」ではなく、「近い」、「似ている」に意味がぐっと傾くようです。この点でも、withとtoの特徴付けは妥当でありそうです。

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