さて、前置詞toとfromが共起しやすい形容詞は、close、farの他にもないでしょうか。すこし固い表現になりますが、similarとdifferentがあります。これらも、前回に見たclose、farの場合と同じように、to、fromそれぞれとの共起にはっきりとした傾向があるようです。similar toとdifferent fromが頻度の高い言い方で、前置詞を入れ替えたsimilar fromとdifferent toは、それに比べて用いられにくいようです。
試しにインターネット検索を試みると、“is similar from”が約 209,000 件なのに対して、“is similar to”は約 902,000,000 件に上ります。また、“is different to”が約 11,900,000 件なのに対して、“is different from”は約 99,600,000 件を数えます。different toは、similar fromに比べて多くの使用例が見付かることから、different fromほどではないにしろ、ある程度の使用率がある表現であると見て良いでしょう。ですが、similarとto、differentとfromの結びつきは、前置詞を入れ替えた場合に比べて遥かに密接であることは確かです。
以上のことをまとめると、toは「似ている」と、fromは「違う」という意味と関係が深いということになります。closeとfarとの関連で指摘した「近い」と「遠い」の意味を合わせると、X to YとX from Yは、次のように特徴付けることが出来ます。
X to Y:XがYに近い、XがYに似ている
X from Y:XがYから遠い、XがYと違う
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