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2009年11月18日水曜日

bad milk to make good cheeseは?

to make good cheeseがmilkを修飾しないことは、これまでの説
明で確認できました。もうひとつの可能性として、to make good
cheeseがgoodを修飾して、「良いチーズを作るのに良い牛乳」と
いう意味で、一つの名詞句をなすのではないかと考える方もいるか
もしれません。そこで、そのような視点からも検証しておきましょ
う。

先ず、「ことばのしくみ」として、そうした解釈が可能になるため
の条件があります。そうした用法の形容詞は、easyやhardのよう
な難易を表す形容詞と同様に、次のような構文で交代することが広
く知られています。

It is easy/hard to read this book.
This book is easy/hard to read.
This is an easy/hard book to read.

従って、an easy/hard book to readと同じように解釈するためには、
an easy/hard bookが不定詞(to read)の目的語となっているように、
good milkが不定詞(to make good cheese)の目的語となっていなけ
ればなりません。ところが、目的語はgood cheeseで埋まってしま
っていますから、そのような解釈は不可能です。good milk to make
good cheese fromとすれば、good milkは不定詞(to make good
cheese from)の目的語となりますから、「ことばのしくみ」として
は可能な表現となりますが、既に前で指摘したように、英語とし
ては堅苦しく、日常的な表現として不自然なようです。

もう一つ、使用の面からも確認してみましょう。もし、to make good
cheeseがgoodを修飾して、good milk to make good cheeseが「良
いチーズを作るのに良い牛乳」という意味の一つの名詞句をなすの
だとすれば、それに対応して「良いチーズを作るのには悪い牛乳」
という一つの名詞句があっても良さそうです。そこで、bad milk to
make good cheeseをdouble quotesで括って検索をしてみました
が、そのような表現は一件も見付かりませんでした。つまり、「良
いチーズを作るのには悪い牛乳」のような特定の牛乳を一つの名詞
句で表現すること自体が日常的にはなされないのでしょう。これは、
反対の意味の「良いチーズを作るための良い牛乳」という表現が
用いられないことも間接的に示していると考えられないでしょうか。

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