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2009年11月17日火曜日

はじめてのごあいさつ

「ことばのしくみ」をご覧の皆さん、はじめまして。私は、これまで言葉を学び、
調べ、考え、教える仕事をしてきました。そうした仕事がら、日本語やその他
の外国語、そのた言語一般について質問を頂くことがよくあります。これまで
は、ごく限られたものながら、私の知識や経験といったものを踏まえて、質問
下さった方それぞれ個別に自分なりの回答をしてきました。ですが、15年、
20年とそうしたやりとりを繰り返す中で、個々の方々から頂いた質問とそれに
対する私なりの回答は、同じような興味や関心そして疑問を抱く方々にも参考
にして頂けるのではないかと思うようになりました。この「ことばのしくみ」では、
先ず、これまで相談頂いた疑問の中から、主に「文法」と呼ばれるものに関わる
ものを選んで、それに対して私が現時点で用意できる回答を紹介出来ればと
思います。

新たな興味、関心から文法について疑問を抱かれて、このページのご覧の他
の方々とその疑問を共有したいと考えて下さる方は、コメントで是非お知らせ
下さい。私も、その疑問に取り組んで、自分なりの説明が見付かり次第、この場
でお知らせしたいと思います。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。りーんです。以前、英文学の講義内で出てきたフレーズで訳しにくいものがありましたので記載します。

    The scullery was cold, bare, and empty;more like a large prison cell than anything else. They went around it, tried the door into the yard, and the windows, but found them all fastened securely. 
    (Algernon Blackwood;The Empty House)

    この文のtried the door into the yard, and the windowsの部分です。try単独では、「~を試す、やってみる」と辞書に書かれていたので、はじめ「庭までドアをやってみる」「窓をやってみる」と思ってしまいました。tryは目的語にくる名詞によって訳し方に工夫が必要なのですね。

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  2. りーんさん
    コメント有難う御座います。興味深い問題ですね。これは、動詞とその目的語の文字通りの意味だけでは解釈が充足しない動詞句に働く「ことばのしくみ」についての疑問だと思います。同様に、start the carやlike some waterは、文字通りに「車を始める」や「いくらかの水が好き」のような日本語に相当すると考えるのでは意味が分かりません。日本語の『ピアノを始める』や『鐘が聞こえる』なども同様な表現で、start the piano、hear a bellという英語に置き換えたのでは、何を言っているのか分かりかねますね。これらの表現の背後には、古くからmetonymyと呼ばれてきたしくみが関わっていると思われます。近いうちに、この話題も取り上げたいと思いますので、少々お待ち頂けますか。

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